社会人の英語学習|時間がない前提で設計する

習慣化・続け方文=中川 代表コーチ

Summary

社会人の英語学習が続かないのは、意志の問題というより計画の形の問題です。忙しくない週にできて忙しい週に消える形になっていると、消えた時点で終わります。だから学習時間を増やすのではなく、既にある習慣の直後に置き、忙しい週用の最低ラインを先に決めます。この記事はその設計をまとめています。

社会人の英語学習の記事はたいてい「朝5時に起きる」「通勤時間を活用する」「スマホを英語に設定する」で終わります。どれも間違ってはいませんが、それで続いた人は、たぶん最初から続いていました

問題は、忙しくない週には全部できて、忙しい週に全部消えることです。そして忙しい週は必ず来ます。

なので設計の前提を変えます。時間がある前提で作らない。

学習時間を増やす計画は、最初に崩れる

「平日1時間、休日2時間」のような計画は、達成できない日が出た時点で崩壊します。しかも崩れ方が悪い。1日抜けると「もう今週は無理」になり、そのまま止まります。

代わりに置くのは、絶対に達成できる最小単位です。

  • ❌ 平日1時間
  • ⭕️ 1日5分。ただし場所を固定する

5分では足りないと感じるはずです。ですが目的が違います。ここでの目的は英語力を上げることではなく、途切れない状態を作ることです。途切れなければ、忙しさが抜けたときに自然と伸ばせます。

置き場所を「既にある習慣の直後」にする

時間を作ろうとすると失敗します。すでに毎日必ずやっていることの直後に貼り付けます。

既にある習慣直後に置く
朝、歯をみがく単語を5つ思い出す
通勤電車に乗る同じ音声を1本聞く
昼休みが終わる直前音読を1分
PCをシャットダウンする今日出会った英語を1つメモ

「時間が空いたらやる」をやめて、「この行動の後にやる」に変えるだけです。 空き時間は忙しい週に消えますが、歯みがきは消えません。

Video朝5分でできる英語習慣3つ時間を増やさずに置き場所を決める、という同じ考え方を1分で見られる形にしたものです。Hightouch株式会社が運営する YouTube「大人のやり直し英語」より

忙しい週用の「最低ライン」を先に決める

続けている人と止まる人の違いは、調子が悪い日の扱いにあります。

先に決めておきます。

繁忙期は、単語1つでも達成とみなす。

これは手抜きの許可ではなく、再開コストを下げる仕組みです。「今週はゼロだった」と「今週も一応やった」では、翌週の心理的な距離がまったく違います。

仕事で使う英語から取る

汎用の教材を最初から通そうとすると、使う予定のない内容に時間が流れます。しかも使わないので定着しません。

社会人の利点は、自分が使う場面がはっきりしていることです。

  • 英語のメールを読むなら → 頻出の定型表現と動詞
  • 会議に出るなら → 会議で使う型と聞き返し方
  • 電話が来るなら → 電話の型と数字の聞き分け

明日使う可能性があるものから取る。 これだと使う機会が来るので、思い出す回数も自然に増えます。

「伸びている実感がない」への対処

社会人がやめる理由として、時間の次に多いのが成果が見えない不安です。英語力は日々の実感では動いて見えないので、やっているのに進んでいない気がします。

対処は、測るものを1つ決めることです。

  • 同じ短い文章を音読して、つっかえた回数を毎週数える
  • 会議で聞き取れなかった箇所の数を記録する
  • 週に何日できたかだけを記録する(内容は問わない)

数字が動くと、実感より先に進捗が見えます。 逆に何も測っていないと、伸びていても不安のまま止まります。

自分の場合はどうするか

ここまでは一般的な設計です。ただし何がボトルネックかは人によって違います。

時間なのか、手順が定まっていないのか、やる気の波なのか、成果が見えない不安なのか。どれが効いているかで、最初の一歩が変わります

正直に書いておくこと

1日5分で英語が話せるようになる、という話ではありません。5分は「途切れさせない」ための設計で、伸ばす段階では当然もっと時間が要ります。

ここで言えるのは、伸ばす段階の手前で止まっているなら、足りないのは時間ではなく「続く形」のほうだということです。

置き場所を決めたあと

時間の置き場所が決まっても消える週があるなら、英語学習の習慣化|意志ではなく仕組みで続ける5つの手順に、途切れたあとの戻り方まで書いています。

先に仕事の実務を片づけたい場合は、英語のメール|迷う時間をなくす、5つの型と定型フレーズが最短です。書く場面は型が決まっているので、覚える量がいちばん少なくて済みます。

出張が決まっているとき

日付が決まっている場合は、範囲を絞れます。海外出張の英語|移動・入国・現地対応で使う順にそろえるに、出発から帰国までの順番で必要になる言い方だけを並べました。

よくある質問

Q1日5分で英語が話せるようになりますか。
なりません。5分は「途切れさせない」ための最低ラインで、伸ばす段階ではもっと時間が要ります。ただし、途切れた状態から再開するコストのほうが大きいので、忙しい週こそ最低ラインを守る価値があります。
Q朝と夜、どちらがいいですか。
時間帯そのものより、既にある習慣の直後に置けるかどうかが効きます。歯磨きの後、通勤電車に座った直後など、行動の引き金がはっきりしている場所を選んでください。
Q仕事で英語を使わない場合はどうすればいいですか。
使う場面が無いと必要性が薄れて続きにくくなります。その場合は、直近で英語を使う可能性がある場面(出張・海外との会議・資格試験)を1つ決めて、そこから逆算して範囲を狭めるほうが現実的です。

Author

中川 代表コーチ

Hightouch EnglishHightouch株式会社

英語をやり直す大人の学習設計を、行動科学にもとづいて組み立てています。

TOEIC 950点/関東甲信越英語教育学会(KATE)会員/全国英語教育学会(JASELE)会員

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