英語が話せるようになりたい|「話せる」を4つに分けて決める

やり直しの設計文=中川 代表コーチ

Summary

「話せるようになりたい」は、そのままでは目標になりません。話せるには段があり、雑談・説明・議論・交渉では必要なものが違うからです。自分の仕事や生活でどの段まで要るのかを先に決めると、やることが半分以下に減ります。全部を目指す必要はありません。

英語をやり直すときの出発点は、たいてい「話せるようになりたい」という言葉です。ですがこの言葉のままだと、いつ達成したのか判定できません

判定できない目標は、終わりが来ないという問題を持ちます。何か月やっても「まだ話せない」と感じ続けることになります。

「話せる」には4つの段がある

内容必要なもの
① 雑談相手の話に反応し、会話を続ける短い返し・話題3つ
② 説明自分の仕事・状況を伝える構造(結論→根拠)・語彙
③ 議論意見を出し、相手の意見に返す反応速度・言い換え
④ 交渉条件を詰め、合意を作る正確さ・微妙な言い回し

下に行くほど難しくなりますが、全員が④まで必要なわけではありません。

  • 海外の同僚と働く → ①②が中心、③が時々
  • 顧客対応がある → ②③、場合によって④
  • 出張で現地に行く → ①②で足りることが多い
Videoアメリカで使いたい優しい英語7選①の雑談で使える短い言い回しです。難しい表現は要りません。Hightouch株式会社が運営する YouTube「大人のやり直し英語」より

まず①だけを目標にする

やり直しの段階では、①の雑談だけを目標にするのが現実的です。理由は3つあります。

  1. 必要な英語が少ない — 短い反応と質問の型があれば成立します
  2. すぐ使える場面がある — 会議の前後、出張中の移動時間
  3. できたかどうかが分かる — 会話が途切れなければ達成です

②以降は、①が安定してから足せば間に合います。

「話せない」の中身を分ける

同じ「話せない」でも、止まっている場所は違います。

症状止まっている場所
言いたいことはあるが、文が組めない文の組み立て
頭では分かるが、口が動かない口の運動(音読不足)
そもそも話す場面が無い練習の相手
相手の話が分からず、返せない聞き取り

最後の1つが多いという点は見落とされがちです。話せない原因が聞き取りにある場合、話す練習をしても解決しません。

①を作るための最小の練習

  • 短い反応を10個覚える — That's great. / That sounds tough. / Same here. など
  • 質問を3つ持つ — 移動・場所・食べ物の3つで足ります
  • 返しの型を1つ — 相手の答えの中の単語を1つ拾って質問する

これだけで、雑談は成立します。詳しくは 英語の雑談が続かない に書いています。

「ペラペラ」を目標にしない

「ペラペラ」は判定できません。 何をもってペラペラかは人によって違い、達成したかどうかを自分で確かめられません。

代わりに置ける目標の例です。

  • 会議の前後の雑談で、沈黙を作らない
  • 自分の仕事内容を、2分で説明できる
  • 相手の質問を聞き返して、確認してから答えられる

どれも「できた/できなかった」が判定できます。 判定できる目標は、達成感が返ってくるので続きます。

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正直に書いておくこと

段を分けたからといって、達成が速くなると約束はできません。分けることの効果は、やることが絞れて、達成したかどうかが判定できるようになる点にあります。

また、この4段は私たちの整理であって、標準的な区分ではありません。語学の到達度を示す枠組み(CEFR など)は別に存在します。ここでの分け方は、あくまで日々の目標を決めやすくするためのものです。

よくある質問

Qどのくらいで話せるようになりますか。
どの段を目標にするかで大きく変わるため、期間はお答えできません。①の雑談であれば、短い反応と質問の型を用意するだけで、今週から成立させられます。
Qオンライン英会話をやれば話せるようになりますか。
話す場面が無い、という問題は解決します。一方、文が組み立てられない・口が動かないという問題は、レッスンの外での練習が必要です。どこで止まっているかによって効きめが変わります。
Q語彙が足りない気がします。
①の雑談に限れば、必要な語彙は多くありません。むしろ短い反応と質問の型のほうが効きます。語彙が本当に足りないのは②以降の段です。

Author

中川 代表コーチ

Hightouch EnglishHightouch株式会社

英語をやり直す大人の学習設計を、行動科学にもとづいて組み立てています。

TOEIC 950点/関東甲信越英語教育学会(KATE)会員/全国英語教育学会(JASELE)会員

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