英語の独学は、どこまでできてどこで止まるか

やり直しの設計文=中川 代表コーチ

Summary

英語の独学は、教材選びや手順といった「調べれば分かること」には強く、続ける設計と自分の弱点の判定には弱い、という偏りがあります。だから独学で止まったときは、教材を変える前に、止まっているのがどちらの側かを見ます。前者なら調べれば解け、後者は別の手が要ります。

「独学で行けるのか、それとも誰かに見てもらうべきか」。やり直しを始めるとき、必ず一度は考える問いです。

この記事では、独学で解けること/解きにくいことを先に分けます。分けておくと、詰まったときにどちらの問題かで判断できます。

独学で解けること

項目理由
教材を選ぶ情報は十分に出回っている
手順を知る音読・シャドーイング・単語の回し方は調べれば分かる
知識を入れる文法・語彙は独学と相性がよい
量をこなす時間さえ確保できれば、独学でも積める

知識と手順は、独学の得意分野です。 ここで止まっているなら、調べれば前に進みます。

Video【データ】日本の英語力は世界で何位?独学が難しい理由を、環境の側から見た1分の動画です。Hightouch株式会社が運営する YouTube「大人のやり直し英語」より

独学で解きにくいこと

項目理由
続ける設計自分で決めた計画は、自分で崩せてしまう
弱点の判定自分の発音・作文のずれは、自分では気づけない
優先順位どれも大事に見えて、範囲が広がる
出力の相手話す・書くは、受け取る相手がいないと成立しにくい

とくに2つ目が構造的です。自分の発音が通じているかどうかは、自分の耳では判定できません。作文の不自然さも同じで、間違いに気づける実力があるなら、そもそもその間違いをしません。

止まったとき、どちらか見分ける

詰まったときに次を確認します。

  • 「何をやればいいか分からない」 → 独学で解けます。調べる、手順を1つに固定する
  • 「やることは分かるが、続かない」 → 設計の問題。習慣化の側から手を入れる
  • 「続いているが、伸びているか分からない」 → 判定の問題。外の基準(試験・他人の耳)が要ります

教材を変えて解決するのは、1つ目だけです。2つ目・3つ目で教材を変えても、同じ場所で止まります。

独学の弱点を、独学のまま補う方法

外部の力を借りずに、いくらか埋められる部分もあります。

  • 録音する — 発音・話す練習は、録音して聞き返せば自分でも判定できます
  • 書いたものを寝かせる — 数日置いてから読むと、自分の文でもずれが見えます
  • 外の基準を1つ持つ — 試験のスコアや、決まった教材の正答率など、動かない物差しを置きます
  • 記録を残す — 続いているかどうかを、記憶ではなく記録で見ます

完全には埋まりませんが、「まったく判定できない」状態からは抜けられます。

それでも埋まらない部分

  • 話す相手 — 出力の練習は、相手がいないと成立しにくい領域です
  • 自分に合っているかの判定 — 手順が自分の生活に合っているかは、外から見たほうが速く分かります
  • やめたときに戻す仕組み — 自分で決めた計画は、自分の判断で止められます

ここが独学の限界です。オンライン英会話・コーチング・スクールといった選択肢は、この部分を外注するものと考えると、選びやすくなります。

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正直に書いておくこと

私たちは英語コーチングを提供している側なので、「独学では無理」と言うほうが商売上は都合がよい立場です。そのうえで書くと、知識と手順に関しては独学で十分に進みます。実際、独学だけで到達する人はいます。

一方で、続ける設計と弱点の判定が独学で難しいのは構造的です。これは意志や能力の話ではなく、自分で自分を判定できないという仕組みの問題です。

よくある質問

Q独学だけで話せるようになりますか。
到達する人はいます。ただし、話す練習は相手がいないと成立しにくく、発音や作文のずれは自分では気づきにくいという弱点があります。そこを何かで埋める必要はあります。
Qオンライン英会話は独学に入りますか。
相手がいるという点では、独学の弱点の一部(出力の相手)を埋めています。一方、続ける設計と優先順位の判定は自分に残るので、その部分は独学と同じ課題が残ります。
Q独学で止まったら、まず何を変えるべきですか。
教材ではなく、止まっている場所を先に決めてください。「やり方が分からない」なら調べれば解けます。「続かない」なら設計の問題で、教材を変えても同じところで止まります。

Author

中川 代表コーチ

Hightouch EnglishHightouch株式会社

英語をやり直す大人の学習設計を、行動科学にもとづいて組み立てています。

TOEIC 950点/関東甲信越英語教育学会(KATE)会員/全国英語教育学会(JASELE)会員

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