英語の電話対応|受ける・取り次ぐ・伝言を受けるの手順とフレーズ
Summary
英語の電話を受けたときの展開は、実質4つしかありません。自分あて/取り次ぐ/不在で伝言を受ける/聞き取れない、の4つです。難しいのは4つ目に見えますが、聞き返し方は決まった型で済みます。この記事は、その4つそれぞれの手順と、その場で読み上げられるフレーズをまとめたものです。
自分からかける電話は、まだなんとかなります。用件を決めてから受話器を取れるからです。
難しいのは、受ける側の電話です。 いつ鳴るか分からず、誰からか分からず、用件も分からない。準備できる要素がひとつもありません。
そこで、この記事では準備できるものだけを先に固定します。英語力ではなく、手順とフレーズです。全部を暗記する必要はありません。画面に出したまま読んで構いません。 電話対応は、読み上げても失礼になりません。
先に結論:受ける電話は、4つの分岐しかない
英語で電話を受けたとき、その後の展開は実質4つに分かれます。
- 自分あてで、自分が答えられる
- 他の人あてなので、取り次ぐ
- 他の人あてだが、その人が不在なので伝言を受ける
- 聞き取れないので、聞き返すか、折り返しにする
4がいちばん怖いところですが、実は4がいちばん定型で済みます。 聞き取れなかったときこそ、言うことは決まっています。順に見ていきます。
① 出るときの第一声
最初は自分の番なので、完全に準備できます。ここを固定しておくと、そのあとの動揺がかなり減ります。
| 場面 | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| 標準 | Good morning, ABC Company. This is Taro speaking. | おはようございます、ABC社の田中です |
| 部署名を出す | ABC Company, Sales Department. How may I help you? | ABC社 営業部です。ご用件をどうぞ |
| 外線をとった | Thank you for calling ABC Company. | お電話ありがとうございます、ABC社です |
| 内線・折り返し | Hello, this is Taro from the Sales Department. | 営業部の田中です |
This is 〜 speaking. が電話での名乗り方です。I am 〜 とは言いません。細かい違いですが、ここだけは型として覚えてしまうほうが早いです。
相手が名乗らないときは、次のように聞きます。
| 英語 | 意味 |
|---|---|
| May I ask who's calling, please? | どちら様でしょうか |
| May I have your name and company, please? | お名前と会社名をお願いできますか |
| Could you spell your name for me, please? | お名前のつづりをお願いできますか |
Who are you? は使いません。 直訳としては通じますが、詰問に聞こえます。
② 取り次ぐとき
取り次ぎは、「少し待ってください」と「つなぎます」の2つだけで成立します。
| 場面 | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| 保留にする | Could you hold on for a moment, please? | 少々お待ちいただけますか |
| 保留にする(短い) | One moment, please. | 少々お待ちください |
| つなぐ | I'll put you through to Mr. Suzuki. | 鈴木におつなぎします |
| つなぐ(別の言い方) | Let me transfer you to the Sales Department. | 営業部におつなぎします |
| 待たせたあと | Thank you for waiting. | お待たせいたしました |
| 担当を確認する | May I ask what this is regarding? | ご用件をうかがってもよろしいですか |
保留が長くなりそうなら、いったん戻って状況を伝えるほうが安全です。
He's still on another line. Would you like to keep holding, or shall I have him call you back? (まだ別の電話に出ております。このままお待ちになりますか、折り返しにいたしますか)
③ 不在のときと、伝言を受けるとき
ここが実務でいちばん頻度が高い場面です。不在を伝える → 選択肢を出す → 内容を控えるの順に固定します。
| 場面 | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| 席を外している | I'm afraid he's away from his desk at the moment. | あいにく席を外しております |
| 会議中 | She's in a meeting until three. | 3時まで会議に入っております |
| 外出中 | He's out of the office today. | 本日は外出しております |
| 休み | She's off today. She'll be back on Monday. | 本日は休みです。月曜に戻ります |
| 選択肢を出す | Would you like to leave a message? | ご伝言をうけたまわりましょうか |
| 折り返しを提案 | Shall I have him call you back? | 折り返しお電話させましょうか |
| 番号を聞く | Could I have your phone number, please? | お電話番号をうかがえますか |
| 復唱する | Let me repeat that. Your number is 03-1234-5678, correct? | 復唱します。03-1234-5678 でよろしいですか |
| 締める | I'll make sure he gets your message. | 申し伝えます |
I'm afraid 〜 を頭に付けると、それだけで「あいにく」のニュアンスが出ます。不在・断り・遅れを伝えるときの汎用の枕詞なので、これひとつ覚えるだけで通話全体の丁寧さが上がります。
伝言メモの枠を、先に作っておく
通話中に白紙からメモを取るのは負荷が高すぎます。枠を用意しておけば、埋めるだけの作業になります。
Caller(お名前):
Company(会社):
Phone(番号):
Regarding(用件):
Action(折り返し / 再度かける / 対応不要):
枠があると、何を聞き取ればいいかが決まります。全部を聞き取ろうとして混乱するのを防げます。
④ 聞き取れなかったとき(ここが本題)
聞き返しは失敗ではありません。 ネイティブ同士の通話でも日常的に起きています。まずいのは、聞き取れていないのに「Yes」と言ってしまうことです。
下の表は、その場で言い方を選ぶ手間をなくすために、分からなかったものごとに分けてあります。
問題は、何が分からなかったのかによって、言うべき文が違うことです。ここを分けておくと、同じ質問を繰り返して気まずくなるのを避けられます。
| 分からなかったもの | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| 全体(もう一度) | I'm sorry, could you say that again, please? | もう一度おっしゃっていただけますか |
| 速すぎた | Could you speak a little more slowly, please? | 少しゆっくりお願いできますか |
| 声が小さい・遠い | I'm having trouble hearing you. Could you speak up a little? | お声が聞き取りにくいのですが、少し大きくお願いできますか |
| 特定の単語だけ | I'm sorry, what was the word after "the invoice"? | すみません、「invoice」のあとの語は何でしたか |
| つづり | Could you spell that for me? | つづりを教えていただけますか |
| 数字 | Was that fifteen, one-five, or fifty, five-zero? | 15(イチ・ゴ)でしょうか、50(ゴ・ゼロ)でしょうか |
| 理解の確認 | Let me make sure I understand. You'd like us to resend the invoice, correct? | 確認させてください。請求書を再送すればよろしいですか |
| 手に負えないとき | I'm sorry, my English is limited. Could I have someone call you back? | 申し訳ありません、英語が不得手でして。折り返しお電話させてもよろしいですか |
数字の聞き返しは、必ず1桁ずつ言い直して確認します。 電話で最も事故が起きるのは fifteen / fifty、thirteen / thirty のような数字で、これは英語力ではなく音の問題です。日付・金額・電話番号は、必ず復唱してください。
最後の1行(Could I have someone call you back?)は、逃げではなく正しい業務判断です。聞き取れないまま話を進めて用件を取り違えるほうが、相手にとっても損失が大きいからです。
⑤ 終わりかた
| 英語 | 意味 |
|---|---|
| Thank you for calling. | お電話ありがとうございました |
| Is there anything else I can help you with? | ほかにご用件はございますか |
| I'll get back to you by the end of the day. | 本日中にご連絡いたします |
| Have a nice day. | 失礼いたします |
「これで大丈夫」とは書けないところ
ここまでは場面ごとの手順とフレーズです。紙に出して手元に置けば、明日から使えます。
ただし正直に書いておくと、これで電話が平気になるわけではありません。 上のフレーズを読み上げられても、相手が話す側の内容が聞き取れなければ、通話は成立しないからです。読む練習と、聞く力は別のものです。
聞き取りの側は、原因を分けて練習する必要があります。
- 英語リスニングの勉強法 — 「知っている単語なのに聞き取れない」の正体を、音・速度・語彙の3つに分けています
- 電話の英語が怖い人へ — こちらはかける側の記事です。用件を自分で決められる分、組み立て方が変わります
- 英語の会議についていけないとき — 複数人の場で発言に入るときの型
続かないのは、電話とは別の問題
型を印刷して置いておくところまでは、今日できます。そのあと練習が続かないとしたら、原因は英語ではありません。
時間が取れないのか、手順が決まっていないのか、やる気が波なのか、伸びが見えなくて不安なのか。原因ごとに次の一歩は変わります。
- 大人のやり直し英語は、何から始めるべきか — 続かない原因を4つに分けて、それぞれの最初の一歩を出しています
よくある質問
- Q英語の電話で、フレーズを見ながら話すのは失礼になりませんか。
- 電話は相手から手元が見えないので、読み上げても伝わりません。実務では手順書やメモを見ながら応対するのが普通です。むしろ、うろ覚えで言い直すほうが相手の時間を取ります。
- Q相手の名前や社名が聞き取れないときは、何度まで聞き返していいですか。
- 回数に決まりはありませんが、同じ聞き方を繰り返すと進みません。1回目は「もう一度お願いします」、2回目は「つづりを教えてください」と、聞き方を変えるのが有効です。それでも取れないときは折り返しに切り替えます。
- Q数字を聞き間違えるのが怖いです。
- fifteen と fifty、thirteen と thirty は英語力ではなく音の問題で、ネイティブ同士でも確認し合います。1桁ずつ言い直して確認する(fifteen, one-five)のが確実です。日付・金額・電話番号は必ず復唱してください。
- Q英語が不得手だと正直に言ってもいいですか。
- 用件を取り違えるより実害が小さいので、業務判断としては妥当です。「I'm sorry, my English is limited. Could I have someone call you back?」のように、代案とセットで伝えると相手も動きやすくなります。
Author
中川 代表コーチ
Hightouch English/Hightouch株式会社
英語をやり直す大人の学習設計を、行動科学にもとづいて組み立てています。
TOEIC 950点/関東甲信越英語教育学会(KATE)会員/全国英語教育学会(JASELE)会員