TOEICの勉強法|スコアと英語力を分けて考える
Summary
TOEIC対策では、スコアを動かす学習と、英語力を伸ばす学習を分けて考えます。形式への慣れ・時間配分・頻出語彙はスコアに直接効き、聞く力と読む速度は時間をかけて伸ばす部分です。締切が近いなら前者から、長期で使う英語が目的なら後者を軸にします。
TOEIC のスコアは、英語力とそのまま一致するわけではありません。同じ英語力でも、形式に慣れているかどうかで数十点は動きます。
これは「TOEIC は意味がない」という話ではなく、対策の設計に使える事実です。何のために受けるかで、時間の使い方が変わります。
まず分ける:スコア対策と英語力
| 分類 | 内容 | 効くまで |
|---|---|---|
| スコア対策 | 形式への慣れ・時間配分・頻出語彙・設問の型 | 数週間 |
| 英語力 | 聞ける量・読む速度・語彙全般 | 数か月〜 |
締切が近いならスコア対策から、仕事で使う英語が目的なら英語力から。 どちらも必要ですが、順番と配分が変わります。
スコア対策:先に効く3つ
① 時間配分を決める
Part 7 で時間が足りなくなるのは、英語力ではなく配分の問題であることがあります。
- リーディングは 75分。Part 5・6 に使う時間を先に決めておく(例:20分)
- 決めた時間で切り上げ、Part 7 に回す
- 解けない設問は飛ばす(1問に固執しない)
時計を見る練習を、本番前に1回はやってください。
② 設問の型に慣れる
TOEIC は設問の型が繰り返されます。公式問題集を1冊、通しで2回やると、型が見えてきます。
参考書を何冊もやるより、同じ問題を2回のほうが効きます。1回目は解く、2回目は「なぜその答えになるか」を確認する形です。
③ 頻出語彙を絞る
TOEIC には出やすい語彙の傾向があります(ビジネス・オフィス・移動・契約)。この範囲に絞ると、覚える量が減ります。
英語力:リスニングとリーディングの伸ばし方
リスニングは、聞き取れない原因を切り分けてから練習します。音・速度・語彙のどれで落ちているかで、やることが変わります(切り分け方はこちら)。
リーディングは、速度が課題になります。読み返さずに前から読む練習として、同じ文章を3回読む方法があります。1回目は精読、2回目は速く、3回目はさらに速く、という形です。
何点を目指すか
- 600点前後 — 形式への慣れと基礎語彙で届く範囲があります
- 730点前後 — リスニングの精度と読む速度の両方が要ります
- 860点以上 — 英語力そのものを上げる必要があり、対策だけでは届きにくくなります
上に行くほど、スコア対策の効きめは小さくなります。 高得点を狙う場合、対策より英語力に時間を使うほうが結果的に速くなります。
スコアが目的ではない場合
仕事で英語を使うことが目的なら、TOEIC を目標に置くこと自体が回り道になる場合があります。
TOEIC は聞く・読むを測る試験で、話す・書くは含まれません(別に S&W テストがあります)。会議で発言したい、メールを速く書きたい、という目的なら、そちらを直接練習するほうが早く届きます。
一方で、スコアは判定できる目標という利点があります。伸びが見えにくい英語学習で、数字が返ってくるのは続ける助けになります。
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正直に書いておくこと
ここで挙げた点数の目安は、一般に語られている傾向を整理したもので、個別の到達を保証するものではありません。伸び方は現在地と学習時間によって大きく変わります。
また、「形式に慣れると点が動く」という点は、TOEIC を軽く見る意味ではありません。同じスコアでも、対策だけで取った場合と英語力で取った場合では、仕事での使い勝手が変わります。何のために受けるかを、先に決めてください。
よくある質問
- Q公式問題集だけで足りますか。
- 形式への慣れという点では、公式問題集が最も確実です。複数の参考書に手を広げるより、同じ問題を2回やるほうが効きます。語彙や文法に穴がある場合は、そこだけ別に補ってください。
- Qリスニングがまったく聞き取れません。
- まず、音・速度・語彙のどれで落ちているかを切り分けてください。字幕なし→字幕ありの順で聞き、字幕を見た瞬間に分かるなら音の問題です。原因に合わない練習を続けても変化が出にくくなります。
- Q仕事で英語を使いたいのですが、TOEICは受けるべきですか。
- 目的次第です。TOEICは聞く・読むを測る試験で、話す・書くは含まれません。会議で発言したいなら、そちらを直接練習するほうが早く届きます。ただし、スコアは判定できる目標なので、続ける助けにはなります。
Author
中川 代表コーチ
Hightouch English/Hightouch株式会社
英語をやり直す大人の学習設計を、行動科学にもとづいて組み立てています。
TOEIC 950点/関東甲信越英語教育学会(KATE)会員/全国英語教育学会(JASELE)会員