英単語の覚え方|大人がやり直すときに効く順番

練習のしかた文=中川 代表コーチ

Summary

大人が単語を詰め込むと、覚えた実感はあるのに1週間後には残りません。記憶力が落ちたからではなく、詰め込みが「短期的に思い出せる状態」しか作らないためです。必要なのは、忘れかけたころに思い出す練習を繰り返すことと、語数を増やす前に範囲を狭めることです。この記事はその順番をまとめています。

学生のころは、テストの前日に詰め込めば点が取れました。大人になって同じやり方をすると、覚えた実感はあるのに1週間後には残っていない。これは記憶力が落ちたからではなく、詰め込みが「短期的に思い出せる状態」しか作らないためです。

学生時代は詰め込みでも成立していました。テストという締切があり、そこまで持てばよかったからです。しかしやり直しの英語には締切がありません。だから残る覚え方に切り替える必要があります。

先に決めること:単語は「覚える」のではなく「思い出す」

覚え方の議論は、たいてい教材や語数の話になります。ですが順番として先に決めるべきなのは、思い出す機会をどう作るかです。

見て・書いて・眺めるのは「入れる」作業です。一方、記憶が定着するのは思い出そうとした瞬間です。テキストを見ながら10回書くより、隠して1回思い出す方が残ります。

つまり作業を変えます。

  • ❌ 単語帳を眺める、赤シートで隠さずに読む、書き写す
  • ⭕️ 日本語だけ見て英語を言う(言えなければ答えを見て、また閉じる)

この1点だけで、同じ時間の効き方が変わります。

間隔は「忘れかけ」に合わせる

思い出す練習は、忘れかけたタイミングでやると効率が上がります。完全に覚えている状態で復習しても負荷が低く、完全に忘れてからでは覚え直しになるためです。

理想の間隔を毎回計算するのは現実的ではないので、大人の生活に載る形に落とします。

いつやること
覚えた当日その日の終わりに1回だけ思い出す
翌日同じ範囲を1回
3日後同じ範囲を1回
1週間後できたものは外し、詰まったものだけ残す

間隔が広がるほど、1回にかかる時間は短くなります。 詰まったものだけが残っていくので、進むほど楽になる構造です。

アプリを使う場合は、この間隔管理を自動でやってくれるものを選べば十分です。手帳で管理しようとして続かなかったなら、それは意志の問題ではなく管理コストの問題です。

語数を増やす前に、範囲を狭める

「1日50語」のような目標は、達成できない日が出た時点で崩れます。しかも思い出す練習は語数を増やすと時間が伸びるので、忙しい週に真っ先に消える活動になります。

現実的なのは逆です。

  1. 1回の範囲を10〜20語に固定する(増やさない)
  2. 同じ範囲を、上の間隔で繰り返す
  3. 詰まらなくなったものを外し、空いた分だけ新しい語を足す

これだと1回が3〜5分に収まり、移動中や昼休みの終わりに入ります

Video単語が覚えられない人へ3つの工夫この記事の「思い出す練習」と「間隔」を、1分で見られる形にまとめたものです。Hightouch株式会社が運営する YouTube「大人のやり直し英語」より

どの単語から覚えるか

大人のやり直しでは、自分が使う場面に出てくる語から始めるのが合理的です。仕事で英語のメールを読むなら、頻出の動詞と定型表現。旅行なら移動と食事。

汎用の単語帳を最初から通そうとすると、使う予定のない語に時間が流れ、しかも使わないので思い出す機会が来ません。頻出語リストは有用ですが、自分の場面と重なる部分から順に取るのが早いです。

それでも続かなかった場合

ここまでは「やり方」の話です。やり方を整えても続かない場合、原因はやり方ではありません。

続かない理由は大きく4つに分かれ、時間・手順・やる気の波・成果が見えない不安のどれが効いているかで、次に変えるべき場所が違います。詳しくは大人のやり直し英語は、何から始めるべきかにまとめました。

正直に書いておくこと

ここで紹介した「思い出す練習」と「間隔を空ける復習」は、学習科学で広く支持されている考え方です。ただしどのくらいの期間で何語覚えられるかは、人と条件によって大きく変わります。「この方法で誰でも1か月に1000語」といった断言はできません。

できるのは、同じ時間をかけたときに残りやすい形へ寄せることです。

単語だけを切り離して考えない

単語の前に、何をどの順で決めるかが残っているなら英語の勉強法|大人がやり直すときの、決める順番から。覚え方は分かっているのに続かないなら、問題は覚え方ではなく回し方なので英語学習の習慣化|意志ではなく仕組みで続ける5つの手順のほうが効きます。

よくある質問

Q単語帳とアプリ、どちらがいいですか。
どちらでも構いません。効くかどうかを分けるのは媒体ではなく、「見て確認する」ではなく「隠して思い出す」形になっているかどうかです。アプリは間隔の管理を自動でやってくれる点が有利です。
Q1日に何語がいいですか。
語数より、同じ語に何回出会うかのほうが効きます。新規を増やすほど復習が積み上がるので、忙しい時期は新規を止めて復習だけ回すほうが、結果として残ります。
Qどの単語から覚えるべきですか。
自分が使う場面に出てくる語からです。汎用の頻出リストは効率が良さそうに見えますが、使う場面が無い語は思い出す機会を作れないため、結局残りません。

Author

中川 代表コーチ

Hightouch EnglishHightouch株式会社

英語をやり直す大人の学習設計を、行動科学にもとづいて組み立てています。

TOEIC 950点/関東甲信越英語教育学会(KATE)会員/全国英語教育学会(JASELE)会員

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