英語の商談|条件を確認し、持ち帰るまでの型
Summary
英語の商談で最も避けたいのは、聞き取れないまま合意したことになる場面です。だから型として持つのは、うまい交渉表現ではなく、条件を復唱する・その場で決めずに保留する・持ち帰るの3つです。この3つがあれば、英語力に関わらず取り違えを防げます。
英語の商談で怖いのは、話せないことではありません。聞き取れていないのに話が進み、合意したことになってしまうことです。
金額・納期・責任範囲の取り違えは、あとから戻すのに大きなコストがかかります。だからこの記事では、交渉を有利にする表現ではなく、取り違えを防ぐ型を扱います。
持つべき型は3つ
| 型 | 目的 |
|---|---|
| ① 復唱する | 数字と条件を、その場で確定させる |
| ② 保留する | 決められないことを、決めないまま進める |
| ③ 持ち帰る | 社内確認が要るものを、明示的に外に出す |
流暢さは要りません。 この3つは、短い定型文で足ります。
① 復唱する ——「数字が出たら必ず」
数字・日付・期間が出たら、その場で言い直します。
| 場面 | 英語 |
|---|---|
| 金額 | Just to confirm — that's fifteen thousand dollars, one-five? |
| 納期 | So delivery would be by the end of September. Is that right? |
| 条件 | Let me repeat the terms: 20% deposit, the rest on delivery. |
| 全体 | Let me summarize what we've agreed so far. |
one-five のように1桁ずつ言い直すのは、fifteen / fifty の取り違えを防ぐためです。これは英語力の問題ではなく音の問題なので、ネイティブ同士でも確認し合います。
② 保留する ——「決めない」と言えるようにする
その場で決められないとき、曖昧に頷いてしまうのが最も危険です。決めない、と言い切る型を持ちます。
| 場面 | 英語 |
|---|---|
| まだ答えられない | I'd like to hold off on that for now. |
| 条件次第 | That depends on the volume. Could we come back to it? |
| 別の場で | Can we take that offline and come back to you? |
hold off come back to it は、「今は決めない」を角を立てずに言う定型です。
③ 持ち帰る —— 期限とセットで
持ち帰るときは、いつまでに返すかを必ず添えます。期限が無いと、相手は「断られた」と受け取ることがあります。
I'll need to check with our team. I'll get back to you by Thursday. Let me confirm internally and send you a written proposal early next week.
会話を止めないための1文
商談中に聞き取れなかったとき、話を止めずに確認する言い方を1つ持っておきます。
Sorry, could you go over that part again? I want to make sure I've got this right — you're saying ...?
「理解を確かめる」形にすると、聞き返しに見えません。むしろ丁寧な確認として受け取られます。
商談後にやること
その日のうちに、決まったことをメールで送ります。 これが最大の保険になります。
Thank you for your time today. Here's a summary of what we discussed:
- Unit price: $15,000
- Delivery: end of September
- Next step: we'll send a written proposal by Thursday
Please let me know if anything is different from your understanding.
最後の1文が重要です。認識のずれがあれば、ここで戻ってきます。
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正直に書いておくこと
ここに書いたのは、取り違えを防ぐための型です。価格交渉を有利に進める方法や、契約条件の作り方は扱っていません。それらは英語の問題ではなく、商談そのものの領域です。
また、契約に関わる文言は、必ず社内の確認を通してください。この記事の範囲は、口頭でのやり取りを正確に保つところまでです。
よくある質問
- Q聞き取れないまま話が進んでしまいそうなときは。
- 止めてください。I want to make sure I've got this right — のように確認の形にすれば、失礼にはあたりません。取り違えたまま合意するほうが、双方にとって損失が大きくなります。
- Qその場で即答を求められたら。
- I'd like to hold off on that for now. や I'll need to check with our team. で保留できます。ただし、いつまでに返すかは必ず添えてください。
- Q通訳を入れるべきですか。
- 金額や契約条件が絡む商談では、入れる判断は妥当です。この記事の型は、通訳がいない場面や、日常的なやり取りで取り違えを防ぐためのものです。
Author
中川 代表コーチ
Hightouch English/Hightouch株式会社
英語をやり直す大人の学習設計を、行動科学にもとづいて組み立てています。
TOEIC 950点/関東甲信越英語教育学会(KATE)会員/全国英語教育学会(JASELE)会員