英語のプレゼン|原稿を読まずに、構成と繋ぎで持たせる
Summary
英語のプレゼンで用意するのは、原稿ではなく構成と繋ぎです。目的・結論・根拠・次の一歩の4ブロックに固定し、ブロック間の移り方を決めておけば、言葉が多少ずれても崩れません。質疑で詰まったときの返し方まで用意しておけば、最後まで持ちます。
英語のプレゼンで最も多い準備のしかたは、原稿を書いて覚えることです。ですが、これには弱点があります。
- 1か所つまずくと、次の文が出てこなくなる
- 質疑に入った瞬間、準備した英語が使えなくなる
- 暗記した部分だけ滑らかで、その落差が目立つ
代わりに用意するのは、構成と、ブロック間の繋ぎです。
構成は4ブロックに固定する
| ブロック | 中身 | 目安 |
|---|---|---|
| ① 目的 | 今日この時間で何を扱うか | 30秒 |
| ② 結論 | 先に言う | 30秒 |
| ③ 根拠 | 2〜3点。数字を1つ入れる | 大半 |
| ④ 次の一歩 | 誰が何をいつまでに | 30秒 |
②を先に言うのが重要です。日本語の資料は結論が最後に来ることがありますが、英語のプレゼンでは先に言わないと、聞き手が何を聞けばよいか分かりません。
繋ぎの言い方だけ、暗記する
原稿は覚えなくてよいのですが、ブロックの移り目だけは決めておきます。ここが決まっていると、途中で言葉に詰まっても戻れます。
| 場面 | 英語 |
|---|---|
| 始める | Today, I'll cover three points. |
| 結論を出す | The short version is: we should move the launch to October. |
| 根拠に入る | Let me walk you through the reasons. |
| 次の点へ | That brings me to my second point. |
| 図を指す | As you can see here, ... |
| まとめる | So, to wrap up: ... |
| 次の一歩 | The next step is for the team to confirm by Friday. |
これだけで7文です。 原稿1本を覚えるより、はるかに少ない量で済みます。
スライドは「読まない」前提で作る
英語で話しながらスライドも読ませると、聞き手の負荷が上がります。スライドは短く、話す内容と重複させません。
- 1枚1メッセージ
- 文ではなく名詞句で置く
- 数字は大きく、1枚に1つ
話す英語が不安なほど、スライドを充実させたくなりますが、逆効果になりやすい部分です。文字が多いと、聞き手はスライドを読み始め、話を聞かなくなります。
質疑が本番
準備した部分より、質疑のほうが難しいのが普通です。ここで使う型を3つ持っておきます。
| 場面 | 英語 |
|---|---|
| 質問を確認する | Just to make sure I understand — are you asking about the cost? |
| 時間をもらう | That's a good question. Let me think for a moment. |
| その場で答えられない | I don't have that number with me. I'll follow up by email today. |
3つ目が最も重要です。 分からないことを、その場で作って答えるのが最も危険です。「持ち帰って送る」と言い切るほうが、信頼を落としません。
前日にやること
- 繋ぎの7文だけ声に出す(原稿は読まない)
- スライドを通しで1回めくり、話す順番を確認する
- 数字を1つだけ覚える(根拠のうち最も強いもの)
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正直に書いておくこと
ここに書いたのはプレゼンという場面の設計です。内容そのものの質(何を提案するか)には踏み込んでいません。構成が整っていても、中身が弱ければ通りません。
また、聞き手の人数や場の性質(社内報告か、顧客向けか)で、適した形は変わります。ここで書いたのは社内・少人数の報告を想定した最小構成です。
よくある質問
- Q原稿は用意しないほうがいいですか。
- 作ること自体は有効です。ただし読み上げる前提にすると、1か所つまずいたときに戻れなくなります。作ったあとは、繋ぎの言い方だけを覚えて本番に臨むほうが安定します。
- Q質問が聞き取れなかったときは。
- 推測で答えないでください。Just to make sure I understand — are you asking about ...? のように、確認の形で返します。確認は失礼にあたりません。
- Q緊張して早口になってしまいます。
- 話す速度は、スライドをめくる速度で調整できます。1枚めくったら一呼吸置く、と決めておくと、意識しなくても間が入ります。
Author
中川 代表コーチ
Hightouch English/Hightouch株式会社
英語をやり直す大人の学習設計を、行動科学にもとづいて組み立てています。
TOEIC 950点/関東甲信越英語教育学会(KATE)会員/全国英語教育学会(JASELE)会員