英語の音読|効果が出る回し方と、意味の無い読み方
Summary
音読は、読む回数ではなく段階で効き方が変わります。意味を取る・音を合わせる・速度を上げるの3段に分け、1つの文を使い切ってから次へ進みます。意味が取れていない文を何回読んでも、音の練習にも意味の練習にもなりません。素材は毎日変えず、同じものを1週間使うほうが3段目まで届きます。
音読は、道具が要らず、時間も短く済む練習です。一方で、やっているのに変化が出ないという声も多い練習です。
原因は、「同じ文を10回読む」だけで終わっていることにあります。回数ではなく、何を狙って読むかで効き方が変わります。
3段に分ける
| 段階 | 狙い | 確認 |
|---|---|---|
| ① 意味を取る | 何を言っている文か分かる | 日本語で内容を言える |
| ② 音を合わせる | 音声と同じ音・区切りで読める | 録音して聞き比べる |
| ③ 速度を上げる | 考えずに口が動く | 音声と同じ速さで読める |
①ができていない文を、②③でいくら読んでも意味がありません。 意味の分からない音を繰り返しているだけになります。
① 意味を取る(文字を見て、日本語で言えるか)
- 知らない語は先に調べる
- 1文ずつ、日本語で内容を言えるか確認する
- 言えない文は、まだ音読の段階ではありません
分からない文を素材にしないのが、音読でいちばん多い失敗です。
② 音を合わせる(ここが本体)
音声を1文聞いて、すぐに真似して読みます。
- 区切る位置を音声に合わせる(文法ではなく、音の区切り)
- 弱く読む語(前置詞・冠詞)を、弱く読む
- 週に1回は録音して聞き比べる
録音を飛ばすと、直っているかどうかが分かりません。 自分の口の中の感覚と、外から聞こえる音は違います。
③ 速度を上げる(考えずに出るまで)
②が安定してから、速度を上げます。目安は音声と同じ速さで、つっかえずに読めるところまでです。
ここまで来た文は、口が覚えた状態になります。会話の中で似た形が必要になったとき、考えずに出てきます。
素材は少なく、長く使う
1つの文章を、3段階すべてで使い切ります。 目安は次のとおりです。
| 分量 | |
|---|---|
| 1回の音読 | 5分 |
| 素材の長さ | 100〜150語(短い記事1本、教科書1ページ) |
| 同じ素材を使う期間 | 1週間 |
毎日新しい文章を読むと、①で終わってしまいます。 同じ素材を1週間使い切るほうが、②③まで届きます。
シャドーイングとの違い
| 音読 | シャドーイング | |
|---|---|---|
| 文字 | 見る | 見ない(最終的に) |
| 難易度 | 低い | 高い |
| 狙い | 音と意味を結びつける | 聞いた音をそのまま再現する |
音読ができない段階でシャドーイングをやると、続きません。 順番としては音読が先です(シャドーイングのやり方)。
効いているかの確認
音読は変化が見えにくい練習なので、確認の方法を決めておきます。
- 同じ文を、1週間前の録音と聞き比べる
- その文に出てきた表現が、会話や作文で出てきたか
- 読む速度が、音声に追いつけるようになったか
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正直に書いておくこと
音読は広く勧められている練習ですが、「何回読めば効く」という数字は示せません。素材の難易度・現在地・頻度によって変わります。
ここで書いたのは、同じ時間をかけたときに残りやすい形へ寄せる方法です。効果を保証するものではありません。
よくある質問
- Q1日何回読めばいいですか。
- 回数より段階です。①意味が取れているか、②音が合っているか、③速度に追いつけるか。同じ文を3段階で使い切るほうが、回数を重ねるより効きます。
- Q声を出せない場所ではどうすればいいですか。
- 口だけ動かす形でも、②の練習にはなります。①の意味を取る工程は黙読でできます。声を出せる日と出せない日で、段階を分けてください。
- Q音読とシャドーイング、どちらを先にやるべきですか。
- 音読が先です。文字を見て意味と音が結びついていない段階でシャドーイングを始めると、難しすぎて続きません。
Author
中川 代表コーチ
Hightouch English/Hightouch株式会社
英語をやり直す大人の学習設計を、行動科学にもとづいて組み立てています。
TOEIC 950点/関東甲信越英語教育学会(KATE)会員/全国英語教育学会(JASELE)会員