英語の発音練習|ネイティブを目指さず、通じる音に絞る

練習のしかた文=中川 代表コーチ

Summary

発音練習で決めるべきは、どこまでやるかです。ネイティブと同じ音を目指すと終わりが来ません。目標を「通じること」に置くと、直す対象は日本語に無い音と、強く読む位置の2つに絞れます。単語単位で直し、録音で確認するのが最短です。

発音練習は、始めるより先に範囲を決めないと終わりません。「ネイティブのように」を目標にすると、どこまでやっても足りない状態が続きます。

この記事では、目標を 「通じること」 に置いた場合に何をするかを書きます。

直す対象は2つに絞れる

対象内容
① 日本語に無い音l / r、th、v / b、si / shi など
② 強く読む位置(アクセント)どの音節を強く読むか

②のほうが通じやすさに効きます。 音が多少ずれていても、強く読む位置が合っていれば伝わることが多い一方、位置がずれると単語として認識されにくくなります。

たとえば allergy は「アレルギー」ではなく、最初の音節を強く読みます。日本語のカタカナ読みのまま言うと、通じないことがあります。

Video"アレルギー" の英語の発音、実は通じてない?カタカナで覚えた単語がそのままでは通じない例です。1分で確認できます。Hightouch株式会社が運営する YouTube「大人のやり直し英語」より

単語単位で直す(文でやらない)

発音を直すとき、文の中で直そうとすると難しすぎます。読むことと発音を直すことを同時にやることになるからです。

手順は次の3つだけです。

  1. その週に直す単語を5つ決める(仕事で使うもの、よく言い間違えるもの)
  2. 1語ずつ、音声を聞いて → 真似して → 録音して聞き返す
  3. 直った単語は外し、翌週に新しい5つを入れる

5つを超えると続きません。 1週間で5つでも、1年で250語になります。

録音して聞き返す(これが本体)

自分の発音は、口の中の感覚と、外から聞こえる音が違います。だから、直っているかどうかは録音でしか確認できません。

  • スマホの録音アプリで十分です
  • 直後ではなく、少し時間を置いてから聞くほうが客観的に聞けます
  • 音声と自分の録音を交互に再生すると、違いが分かりやすくなります

聞き返すのは気が進まない作業ですが、ここを飛ばすと練習が確認できません

日本語話者がとくに引っかかる音

よくあるずれ対象になりやすい語
l / r区別せずに発音するlight / right, collect / correct
ths や z になるthink, through, weather
vb になるvery, virus, invoice
si / shi混同するseat / sheet, see / she
語末の子音母音が付く(「ト」「ド」)want, need, good

最後の語末に母音を足してしまうのは、日本語の音の構造からくるずれです。want が「ウォント」になると、wanted と混ざって聞こえます。

やらなくてよいこと

  • 発音記号を全部覚える — 直したい単語の記号だけ見れば足ります
  • すべての単語を直す — 使わない単語を直しても、確認する機会がありません
  • ネイティブと同じ音を目指す — 目標が測れないので、終わりが来ません

目標は「相手が聞き返さない」ことにすると、達成したかどうかが分かります。

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正直に書いておくこと

ここに書いたのは、通じることを目標にした場合の絞り方です。発音そのものを深く扱う分野は別にあり、音声学の訓練を受ける道もあります。

また、「この音を直せば何か月で通じるようになる」という言い方はできません。どの音が通じにくいかは、相手の母語や場面(電話か対面か)によっても変わります。

よくある質問

Q発音記号は覚えたほうがいいですか。
全部を覚える必要はありません。直したい単語の記号を、そのつど辞書で確認すれば足ります。記号の暗記に時間を使うより、録音して聞き返す時間に回すほうが効きます。
Qネイティブのような発音は必要ですか。
仕事で通じることが目的なら、必要ありません。むしろ、強く読む位置と、日本語に無い数個の音を直すほうが、通じやすさへの効きめが大きくなります。
Q1日どのくらい練習すればいいですか。
5分で足ります。時間の長さより、録音して聞き返す工程を飛ばさないことのほうが重要です。確認しない練習は、直ったかどうかが分かりません。

Author

中川 代表コーチ

Hightouch EnglishHightouch株式会社

英語をやり直す大人の学習設計を、行動科学にもとづいて組み立てています。

TOEIC 950点/関東甲信越英語教育学会(KATE)会員/全国英語教育学会(JASELE)会員

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